連邦兵A「うわー、く、くるぞ」
ドズル「ゆうべはな、貴様の作戦終了を祝うつもりでおった。貴様がモタモタしてくれたおかげで晩餐の支度は全て無駄になったんだ、え?」
シャア「連邦軍のV作戦をキャッチしたのです。ドズル中将」
ドズル「なに!? V作戦?」
シャア「はっ! モビルスーツの開発! それにともなう新造戦艦を同時にキャッチしたのであります」
ドズル「さすが、赤い彗星のシャアだな……。よし、ザクを送る。V作戦のデータはなんでもいい。必ず手に入れろ! 出来るならそのモビル・スーツを手に入れろ!」
シャア「やってみます!」
シャア「少尉、突撃隊員を三名招集したまえ」
ドレン「は? 補給艦の到着を待つのではないので?」
シャア「戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ。スレンダーは脱出した。ということは、逆もまた可能ではないのかな?」

前回「『シン・機動戦士ガンダム論!』第4回 『ガンダム』前夜の1978年・4」

数年前Twitterで、『ぼくたちの女災社会』等の著書を持つ兵頭新児氏が、「『ガンダム』って何となく女性ファン少なそうな気がするけどな。シャアなんか明らかに市川治の系譜を狙ってたはずだが。とは言え、やはりその市川治でもわかるように腐女子が「男の世界に乱入してきた存在」であることには原理的に変わりようがない」とツイートし、『機動戦士ガンダム(以下『ガンダム』)』(1979年)ブームを直撃で体験した筆者などの身からすれば、考えられないレベルの歴史修正主義的な見解を披露して、大炎上したという案件があった。

代替テキスト

「本来のターゲット層ではない思春期アニメファンがファンクラブを作った史上初のアニメ」としては、それこそ富野由悠季監督の『海のトリトン』(1972年)FCが有名だが(もっとも、そのFC設立は、後のヤマトブーム同様、プロデューサーの西崎義展氏自らが仕掛けたマッチポンプという説もあるが)、そのトリトンFCからして女性メンバーが多かったと聞くし、その後1975年からは、今や世界に冠たるクールジャパンイベントとなったコミックマーケットが、日本消防会館会議室からスタートしたが、栗本薫氏が1979年に執筆した青春推理小説『ぼくらの気持』でも描かれているように、初期のコミケは少女漫画や、漫画・アニメを題材にしたBL作品が出品同人誌の殆どで、参加者も圧倒的に女性が多く、この時期の『宇宙戦艦ヤマト』(制作・1974年)ブームからして「デスラー×古代」「古代×島」などといった、今でいう801腐女子的カップリング同人誌や会話が、当たり前にまかり通っていた時代。

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