怪獣に命を吹き込み続けた芸術家・高山良策

海堂太郎
樋口祐三
高野宏一

「不思議だねえ。こんなにたくさんの鳥が一時に死んでるなんて」

「えぇ。あの、殺生石という毒ガスを吐く石があって、鳥や獣が死ぬという話は聞きますが」

「それは君、現在も煙を吐いている活火山の話だろう。大牟山はもう何千年か前に活動を停止した、死火山なんだからな」

「奇怪な事件は、ただちに科特隊本部に報告された」

「キャップ、あまり気乗りのしない事件ですねえ」

「しかし、報告が来ている以上、行ってみないわけにはいくまい」

「そりゃあ女子供の仕事ですよ」

「じゃあキャップ、私が行きます」

「本部ですか? ビートルは快調。天気も快晴で、まもなく大牟山山頂に到着です。現在まで異常なし!」

「ちぇ! お姉ちゃんずいぶん張り切ってるんだな」

「まあホシノ君、またやったのね。駄目じゃないの。いくら隊員になったからって無断で乗り込んだりして」

「フジ隊員! フジ隊員! ホシノ君! どうした! 何が起こったのだ!? 大牟に異変が起こったに違いない。直ちに出動する!」

「猛烈な毒ガスだ……」

「あ! ちきしょう! こいつの仕業だったのか!」

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