S.H.Figuarts ウルトラセブン 2017年3月 6050円 15㎝

S.H.Figuarts ウルトラセブン

初期の「ULTRA-ACT×S.H.Figuarts」ブランドを除いた、純粋なS.H.Figuartsラインナップのウルトラシリーズとしては、ウルトラマン、バルタン星人、ゼットン、ゾフィに続く第5弾(バリエ商品除く)。シリーズとしては、初期は怪獣や宇宙人枠も重視していたので(前述したように、新規シリーズソフビとサイズ的に連動できないため)『ウルトラセブン』(1967年)からも、その直後にメトロン星人やキングジョー、ガッツ星人、パンドン等が商品化されたが、S.H.Figuartsもウェットスーツヒーローは初めてというのもあってか、技術躍進の波も早く、特に初代ウルトラマンなどは、今度こそという感じでAタイプが別個に発売されるなどを経て、2021年には、とうとうULTRA ARTS(ウルトラシリーズのS.H.Figuartsを指す独自名称)が100体目を記録して、初代ウルトラマンのCタイプの究極版を謡った商品がリリースされることが決まった。

ULTRA-ACTでは、最後まで迷走した「商品コンセプト」だが、S.H.Figuartsにおいては、徹底して「最初の主役作品で登場した時の着ぐるみを、細部まで拘り似せて、その上で超絶可動する」へと決め打ちしており、それはこの、ウルトラセブンでも健在である。
専門サイトでの商品紹介では、堂々と究極を宣言している。

S.H.Figuartsに、至極の一品 ウルトラセブンが満を持して登場。

当時のマスクをイメージした左右非対称の造形でS.H.Figuarts化。

ウルトラセブンらしい筋肉質な肉体美を再現。

体と手足の色味を変えることでスーツの質感の違いを表現。

さらにウルトラセブンの必殺技であるワイドショット、エメリウム光線を再現するためのエフェクトが付属。

究極の造形美、こだわりぬかれた彩色。

本物を目指したS.H.Figuarts ウルトラセブン、ここに誕生!

■商品仕様

全高:約150mm

材質:PVC、ABS

■セット内容

・本体

・交換用手首左右各4種

・エメリウム光線エフェクト

・ワイドショットエフェクト

・手持ち用アイスラッガー

バンダイ公式サイト商品説明より
サイドビュー
リアビュー

まさに、究極にして至極。商品紹介の公式サイトでは、『ウルトラセブン』時の有名なスチールと、背景を再現してこのフィギュアをポーズ再現で立たせた写真が公開されているが、何度見ても、1967年の公式の写真と見間違うほど。
ただ棒立ちにしてるだけでも、精密に本放映当時のスーツアクターの上西弘次氏のたたずまいそのまま。
多段式で引き出し関節になっている肩や股関節の構造で、シルエットラインを崩さずに様々なポージングが可能。

ULTRA-ACT以上に自然なシルエットで、肩は水平に、肘は折り畳める。

筆者は必要としないが、二種類の光線のエフェクトも付属していて、Photoshopを使わずに飾りたいだけの人にも充分な商品仕様。
手首も、エメリウム光線の2本指拳がエメリウム光線発射も兼ねるので、旧DVD1巻の有名なポーズも再現可能。

両肩には引き出し機構があるので、正面で両こぶしを重ねるセブン独特のポーズも自然に決まる

ただ、この「ウルトラセブンアクションフィギュア完璧版」には、一つだけ欠点がある。
出来が良すぎるがゆえの欠点。スーツアクターの上西弘次氏の体形や、佐々木明氏のマスク造形をも完璧に再現したがゆえの欠点。「それ」は『帰ってきたウルトラマン』(1971年)以降に客演したり、公式で新撮影された、どのセブンにも見立てられなさ過ぎる」という点である。大雑把に言ってしまえば、かつてのアクションヒーロー版ウルトラセブンであれば、商品をそのままに『ウルトラセブン参上!』『セブンからエースの手に』辺りの客演ウルトラセブンに見立てることも可能であった。耳の有無やカラーリングなどに少し手を入れるだけで『セブンが死ぬ時!東京は沈没する!』『激ファイト!80VSウルトラセブン』等で登場したセブンに見立てることも出来た。
要は、前回語った「ULTRA-ACTの造形の方向性の迷走」も、原因の根っこは「そこ」にあったのだ。同じヒーローでも、時代が半世紀に渡れば、マスクやスーツの造形も、スーツアクターの体型も、多岐に渡ってくる。それらは全て別個体であり、究極の「正解」は、本放映の中でも一つとは限らない。

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