……と、これだけで終わるのもオチとしては弱いので、あくまで紺野氏が主犯ではないという前提でのドルフィン号関連の、もう一つの「円谷プロ作品メカとの一致」を語っておきたい。
平成版ドルフィン号は、機首部分に小型ジャイロ飛行艇トルドーという小型メカを収納する(他にも収納メカはあるが話題はこれに絞る)。

TVアニメ『サイボーグ009』 小型ジャイロ飛行艇トルドー
TVアニメ『サイボーグ009』 ドルフィン号に合体収納された小型ジャイロ飛行艇トルドー

これは、ドルフィン号の収納メカとしては、唯一原作漫画で描かれた存在であり、原作『ヨミ編』では004が009を迎えにくるために乗ってきたV-TOL機であった。

漫画『サイボーグ009』ヨミ編 V-TOL機
漫画『サイボーグ009』ヨミ編 ドルフィン号に合体収納されるV-TOL機

これをリファインデザインしたのが、小型ジャイロ飛行艇トルドーということになって、ここも筋が通っているし、リファイン方向も歪めていない正統派である。
しかし。
平成版の小型ジャイロ飛行艇トルドーは、こちらもなぜかたまたま、円谷プロの『帰ってきたウルトラマン』(1971年)に登場した、怪獣攻撃隊MATのマットジャイロというメカに、非常に酷似したものになってしまった。

『帰ってきたウルトラマン』マットジャイロ

もし紺野氏にパスティーシュの意図があったのだとしたら、その元ネタはひょっとすると、マットジャイロ自体の元ネタと言われている『謎の円盤UFO』(日本放映1970年)に登場するメカ、シャドージャイロだったのかもしれない。

『謎の円盤UFO』シャドージャイロ

いずれにせよ、平成版に登場するメカ達が、こうして(変形など)イマドキの玩具になり得るギミックをしっかり備えながら、片方で昭和にあった偉大なデザインの継承者にもなり得ているというのは、これはまぁ、当サイト一回分ぐらいのネタにはなるかなと思った次第である。

次回「『サイボーグ009』2002年製フィギュアで歴代アニメ版メンバーを再現する!・1「00ナンバーボックス」」

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