1979年。それまでは主に実写畑の東映とのビジネスで、幾多の変身ヒーローを送り出していた石森プロは、その実写担当の東映部門とのコラボで、アニメ『サイボーグ009』をリメイク(続編?)することとなった。時は1979年。この作品を仮に「サンライズ版」と呼ぶことにする(製作は東映だが、事実上の下請けでアニメを作っていたのは、日本サンライズ(当時)だったから)。
この時期は、もうアニメの商品化ビジネスも熟成してきており、この作品もタカトクがスポンサーとしてバックアップになって、様々な玩具を商品展開。サイボーグ戦士たちの合金フィギュアやベンダブル人形なども商品化されたが、やはり変形メカの合金を主力にしたいというのがあってか、サンライズ版ではドルフィンⅡ世号というメカが配置されることになった。このドルフィンⅡ世号は、以前このサイトで発表した、私がインタビューさせていただいた、樋口雄一氏が興したサブマリンというデザイン会社がデザインを担当しており、興味がある方はぜひこちらのインタビュー記事も併せてお読み頂きたい。

「『イデオンという伝説』をデザインした男」樋口雄一氏 インタビュー 前編

『イデオンという伝説』をデザインした男」樋口雄一氏 インタビュー 後編

サンライズ版のドルフィンⅡ世号は、あからさまに「まんまイルカ」でデザインが構成されているが、いかにもな当時的ビジュアル展開で、飛行モードと潜水艦モード、地上モードに変形する。タカトクの合金玩具も、そこを強調して販売展開がされていた。

TVアニメ『サイボーグ009』(1979年)に登場するドルフィンⅡ世号の合金玩具

この、いかにも児童向けのイルカメカは、アニメ版はともかく、ハイブロウな作劇を目指した、メディアミックスの新規漫画版(週刊少年サンデー連載)にもアリバイ程度には登場するので、一応オフィシャルな存在ではある。

漫画『サイボーグ009』黄金の三角地帯編に登場するドルフィン号

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