(株)ガジェットリンク代表・声優・平松広和氏をお迎えして語って頂く今回は「平松広和インタビュー・7永野護とFSSと」

前回は「平松広和インタビュー・6富野由悠季とダバのラストと」

――今回引用しているラポートデラックス『重戦機エルガイム大事典』では、平松さんはこんなことも仰っているんですよね。

――ダバが反乱軍を率いてからは、威厳とか意識されましたか?

平松 全くそんなのないです(笑)。ほとんど目一杯やってたから、これはどんな状況で、とか考えている余裕がないというか、画面を見てその第一印象でやっちゃったから、後半はやたらめったら叫んでるだけでした。

――オリビーが出て来たあたりから、ダバがやたらシリアスになりましたね。

平松 シリアスになっていけばいくほど、ダバが暗くなりましたね。もうちょっと、前半のキャオとの明るい部分があった方がいいかな、と思いましたけど、それやるとまた話がわかんなくなるから仕方がないのかなぁ、と。僕は最初の頃のダバの方が好きなんです。

ラポートデラックス『重戦機エルガイム大事典』

――今になって大人の視点で見ていくと、あのダバの成長の仕方ってのは、やはり背筋の正しい青年だったっていうことは、それは、やっぱり言ってあげられますよね。

平松 そうですね、はい。その背筋は、元々正しいんだけど、まだいろいろ自信がないから、胸をピンと張れない。それが前半の間だったんですね。でピーン!と、「そういうことか」って、世の中のことがだいたい分かってきて、ちゃんと自分というものを自覚して、胸をぐっと張ったのが、後半のダバだと思っています。今(演じるの)だったら多分おそらく前半は、もっとバカになるだろうと。「真面目に軽く」じゃなくて、多分、今は歳をとったんで、多分あの軽さが「馬鹿っぽい軽さ」になっていっちゃうのがちょっと怖いかな、今演じるとしたら。というのがありますけどね。その分シリアスの方は、多分やりやすくなってるんじゃないかなっていう風に思います。

――そんな『エルガイム』を語る時に欠かせない方の話になるんですが。平松さんは、『エルガイム』の世界観やグラウンドデザインを一手に引き受けた、永野護さんという方とは、どの程度の距離感で、お付き合いがあったのでしょうか? その際、シリーズやダバが向かう方向性等の話題は出たのでしょうか。

平松 方向性っていうのは、あんまり話してないですね。スタジオにも、そんなに頻繁にいらっしゃる方じゃなかったので、忙しかったんだと思うんです。でも居合わせば、結局、同じ歳(平松氏も永野護氏も1960年生まれ)なので、結構話はしてましたね。仙台に(『エルガイム』の)イベントに行った時は、二人で青葉城址を散歩したり「まだ(時間が)早いね」とかいいながら、パチンコ屋に二人で入っちゃったりしてましたね(笑)。

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