ウルトラソフビ!
それは、現代日本の60歳以下の男性であれば、人生で必ず一度は手にして愛でていたという伝説に輝く栄光の玩具の冠である!
今筆者が何を書いているのか、読まされているあなたが分からないように、筆者にもよく分からないというのが実情だったり本音だったり、今回のコンセプトの無理矢理のコンセプト正当化だったりする。

実際は、今ウルトラ玩具マニアの間で流行っている趣味の「オモ写」
ウルトラの可動フィギュアと怪獣ソフビをジオラマの中で戦わせて画像加工をするという「なんだい、それ、俺が『光の国から愛をこめて』で15年前からやってた老舗じゃねぇか。俺が元祖じゃねぇか」っていう趣味に対する講釈に流れるんだけれども、今回はその特集の露払いで、まずは素材となる歴代のソフビの大きさとクオリティ比較をするというところに落ち着いた。

まぁ、直接の原因は、今回の次の企画に繋がる部分と、ちょっとした理由があって、複数のサイズとメーカーのウルトラセブンソフビを用意しなければいけなかったというところにあるが、その枝葉の部分で面白い企画を思いついたので、当サイトの記事として枯れ木も山の賑わいということで、お披露目となったわけです。
そう、お題は「ウルトラセブンソフビ」!

ずらりと並んだ、半世紀のウルトラセブンソフビ

今回はここに、『ウルトラセブン』(1967年)の主人公ヒーロー、ウルトラセブンの、歴代マスプロ(商品化公式メーカー)による、各サイズのソフビ人形を、出来る限り集めて、比較していこうというトンデモ企画(笑)
セブンのソフビというと、とにかくマスプロだけでも(特にマルザン・ブルマァクは)鬼のように商品種類があるので、歴代各メーカー、代表的な大中小といった感じで、メインストリームの商品だけを揃えてみた案配。

まず、ウルトラソフビに詳しくない人に解説をしようとすると、この手のウルトラソフビの文化の概要をご説明するところから入ろうと思う。
まず、セブンの番組放映開始当時、リアルタイムでセブンのソフビ含めた商品化を行っていたメーカーは株式会社マルザンというメーカーであり、このメーカーはセブン終了直後に倒産してしまい、再起した社員達がブルマァクというメーカーを作った……云々という部分に関しては、以前ここで『ブルマァク ウルトラセブン(大)ソフビ徹底検証編』で紹介したので、今回は、マルザンとブルマァクを一括して(実際、商品自体は同じ型を使っているので)マルブルという名称で、今回は紹介したい。

その後、ブルマァクレーベルでマルブル商品は再販され続けられたが、オイルショックと合金玩具ジャンル進出失敗などが理由で、1977年にブルマァクは倒産。そこでマルブルソフビの金型は、円谷皐氏が経営していた株式会社円谷エンタープライズが引き継ぎ、少数を再販ビジネスを行っていたが、そのタイミングでウルトラ怪獣ソフビの版権を取得した株式会社ポピーによって、1978年から、完全新規ウルトラ怪獣ソフビのシリーズ「キングザウルス」シリーズが展開されて、その流れで第三期ウルトラブームが起きて、『ザ★ウルトラマン』(1979年)『ウルトラマン80』(1980年)といった新作ウルトラも作られる流れになった。
しかし、その後ポピーの親会社・株式会社バンダイが、株の上場を狙って系列企業再編を行う形になり、ポピーもバンダイに吸収されることになり、同時にキングザウルスシリーズも、第三期ウルトラシリーズそのものも、1981年の春で終焉を迎えざるを得なくなった。

そして、バンダイがポピーの商品ラインを受け継いで流通に新規シリーズを乗せていくようになったタイミングの1983年に、その後2013年まで30年続く、バンダイウルトラ怪獣シリーズが立ち上がったのである。
そのバンダイのスタンダードソフビのシリーズも、おそらく史上最長の金字塔になる期間、玩具屋の店頭を飾っていたのであるが、フィギュアバブルの崩壊と、中国人件費高騰と、不景気の煽りを受けて2013年に終了。サイズを縮小し、背面の塗装を省略して、ウルトラ怪獣500として展開。当初は小売価格が500円だったからだが、やはりその後も値上げを繰り返さざるを得なくなったので、正式シリーズ名称を「ウルトラヒーローシリーズ」「ウルトラ怪獣シリーズ」として、現在も進行中で展開が続いてるのが今現在である。
ウソ偽りなく、これがざっくりとした「ウルトラマン関連ソフビ商品の歴史」であり、もちろん第三メーカーや系列企業やサブ商品を加えれば、枚挙にいとまがないので省くことにするが

今回は(自慢も含めて)大河さんの「なぜか集めちゃったよウルトラセブンのソフビをよぉ!」というコンセプトで、その大きさや出来等を歴代で比較していこうと思う。

基本的に今回は、各社各シリーズの「大中小」の三種類単位で紹介してみよう。
まずはマルブルのウルトラセブンソフビから。
まず、マルザンのセブンソフビに言えることは「商品点数が多すぎる」ということ。
セブン時期は、マルザンの主力商品がウルトラ警備隊のメカに移行したために、ソフビ化されたキャラクター自体は、前作『ウルトラマン』(1966年)時よりかなり少ないのだが、その代わり主人公のウルトラセブンのソフビは、おそらく日本のキャラクタービジネス史上、本放映契約で発売された同種(ソフビ)玩具の点数としては過去にも未来にもない多さではないだろうか。
上記したようにセブンソフビのフラッグシップが、「ウルトラセブン(大)450円」だということは前回書いたことに変わりはないが、本来の「マルブルサイズ」と呼ばれるメインストリームのマルザン製ウルトラセブンソフビは「マルブル(小)350円」と呼ばれている。
スタンダードサイズなのに(小)とはなぜかと問われたらそれまでだが、マルブルセブンの場合、前述の(大)の他に(特大)(ジャイアント)マスク脱着タイプなど、数々のバリエーションが既に存在していたので、結果的に本来STサイズのはずのセブンが(小)扱いになるのだ。その他にミドルサイズ等を挟んで、ブルマァクミニが当時品としては定番であった。
なので、マルブルからは、(大)(小)ブルマァクミニの三つを並べてみた。

マルブルのウルトラセブン。左から(大)(小)ミニ

プロポーション的にもディテール的にも(大)が一番リアルで、それと(小)は、手足、首が嵌着可動するが、ミニサイズはポーズ固定の2パーツソフビ。サイズは、(大)が30㎝、(小)が23㎝、ミニサイズが11㎝といったところか。
それぞれ怪獣や宇宙人も同サイズで展開されたが、ブルマァク時期までを含めると、一番メインで商品が展開されて、ラインナップは(小)と呼ばれたSTサイズが一番充実していたので、これをブルマァクの基本と捉えるべきだろう。

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