右肩のバインダーは自在に動き、劇場版でのマラサイの新作画部分の活躍を再現できる

かくして、そんな悲喜交々から20年が経ち、ガンプラも「デザイン当時のテイストに敬意を持ち」つつ「カトキハジメ氏アレンジで、現代風に、可動範囲確保用にリファインする」が両立されたHGUCやMGといった商品枠に対して、ガンプラユーザーがほぼ一律で納得できるように落ち着いたのが、この2005年というタイミングであったことは、劇場版『Zガンダム』政策決定と共に僥倖だったのであろう。
実際に放映されたアニメ版でマラサイは、ハイザックの上位互換機種として活躍。
ジェリドやカクリコンなど、個性的な敵側の印象も、また性能も高く、その後のデザイナーズモビル・スーツ百花繚乱現象の露払いとして、適度な効果を上げていた。
例えるなら、ハイザックが一般兵なら、マラサイは海兵隊員といったところか。

肩が引き出し関節なので、ライフルを片手で構えることも、両手で保持することもできる

さて、そんなマラサイのHGUCキットだが、2005年ということもあって、色分け、可動、プロポーション、どこをとっても及第点のキットに仕上がっている。
関節可動はベストなタイミングで各関節が動き、過不足ないポージングを可能にしている。
肩は引き出し関節で前方へもスウィング可能で、また脇に向かっては水平にまで上がる。

腕の関節可動範囲

肘は二重関節っぽく見えるが一軸可動。曲がり角度は90度ほどだが、ポージングには充分だ。色分けに関しても、ティターンズ初期モビル・スーツ独特の「鮮やかなグリーンのパイプ」が肘関節部分でも色分け別パーツ化されていて、この辺りからHGUCシリーズは、本格的に「塗装要らず仕様」を目指し始める。
だが、モノアイの方はホイルシール補完なので、ディテールアップしたい人は、H-EYESなどのサードパーティのアフターパーツ等を使うと良いかもしれない。

下半身の開脚可動範囲とディテール
下半身の前後可動範囲とディテール

下半身の可動も極めて「普通に優秀」人体離れした開脚は出来ない代わりに、可動するスカートアーマーと連動して多彩な自在さでポージングをカバー。
前後へも、立膝はギリギリだが充分な屈伸ポーズは取らせられる。

ティターンズ標準装備のビーム・ライフル

付属するティターンズ標準装備のビーム・ライフルは、エネルギーパックが着脱可能。本体はモナカ割で、パイプ部分も色分けされていないが、この辺りは1/100のMGとの差別化部分と割り切るべきかと。
また。この時期はまだ、人差し指が展開した「ライフル握り専用手首」が別個に付属していた良心的な時期でもあった。

ビーム・サーベルを構えたマラサイ

ビーム・サーベルはこの時期からポツポツ「柄が通常パーツで、そこにクリアパーツSBナンバーを差し込んで表現」がスタートし始めた。
特にマラサイの場合、普段はビーム・サーベルの柄がシールドの裏にマウントされているので、それを有効活用しないと逆に不自然になるという設計事情もあったのだろう。

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