今回は、ウルトラシリーズの第1作『ウルトラQ』(1966年)をお届けする。

この、ウルトラシリーズの始祖にして
日本の特撮番組の夜明けを担った記念碑的作品を、ブログ時代になぜ扱わなかったのか。
その理由を、まず皆さんに語ってみようと思う。

『海底原人ラゴン』再現のカラー版

まず一つ目の理由は、ブログのコンセプトの問題。
ブログ当時は、確かにウルトラシリーズを全般的に扱っていたが、しかし、ウルトラシリーズの冠を持った番組を、片っ端からエピソード単位で扱っていってしまうと、統制が取れなくなってしまう。
ウルトラマンが登場するシリーズだけでも、平成ウルトラやアニメ作品、Vシネマまで入れれば数十のシリーズがあり、ウルトラマンが登場しない作品でも、今回の『ウルトラQ』をはじめ、2000年代以降でも『ウルトラQ dark fantasy』(2004年)『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』(2008年)(カメオ出演のようにチラ出はしたが)など、挙げ始めれば枚挙に暇がなくなってしまう。
だから筆者は、ここで扱うウルトラの枠として、『光の国から愛をこめて』というタイトルどおり、昭和のウルトラマンヒーローが登場する作品に限定して、再現特撮と、評論をお送りすることに決めた。
(ブログ版発足当時、『光の国』設定のウルトラは、せいぜい『ウルトラマンメビウス』(2006年)までで、その後ここまで濫立するとは想像もしていなかった)
残念ながら『ウルトラQ』には、光の国からの英雄は登場しない。
よって、毎回のローテーション対象作品からは、本作は外れていた。

そして二つ目の理由。
『ウルトラQ』は特撮SFアンソロジーであり、その内容は、純然たる巨大怪獣特撮に限った作品群ばかりではない。
怪獣が登場しない『あけてくれ!』『変身』『悪魔っ子』のような、ミステリーSFの傑作は多数存在するし、怪獣が登場しても、巨大化せずにドラマ内で活躍する『カネゴンの繭』『地底超特急西へ』『クモ男爵』といった作品も多い。
筆者が行うタイプの再現特撮では、そういった作品の名場面を、1話ごとに多数用意するのは、事実上不可能であり、それゆえ本作を、エピソード単位で扱うことは不可能であると判断した。

しかし、この作品はやはり、ウルトラシリーズを語る上では欠かせない、日本特撮テレビドラマのエポックメイキングでもあるので、今回特別に、『光の国から愛をこめて』再開記念ということで、シリーズを通じての各話名場面再現という形で、皆さんにお目見えすることとなった次第である。

それでは、再現特撮に簡単な解説を加えていこう。

『バルンガ』 再現のカラー版

先に述べたように『ウルトラQ』の名場面再現は、エピソードによっては、本コンテンツの特撮方向性と筆者の技術では再現しきれないものも多く存在している。

『ウルトラQ』の怪獣アイテムというと、エクスプラスが発売している「大怪獣シリーズ」という、30cmサイズの完成品フィギュアと、バンダイの食玩「ウルトラ怪獣名鑑」シリーズで、毎回シークレットレアアイテムとして、シリーズごとに混入されていた、ウルトラQヴィネットの二種類がすぐに思いつくし、統一されたシリーズで、ウルトラQ怪獣が全て網羅されているシリーズは、他にはマーミットビニパラソフビシリーズくらいしか思いつかない。
だが、エクスプラスの大怪獣シリーズも、ウルトラ名鑑のシークレットも、一個単位の流通価格が高く、それらを全て揃えて撮影するとなると、サイトのコンテンツ一回分の予算としては高価すぎる。
また、どちらもサイズが極端に大きかったり小さかったりするので、筆者の特撮セットには、馴染まないという難点もある。

『地底超特急西へ』 再現のカラー版

なので、今回は、メインで複数枚の画像で再現する話の怪獣アイテムを、本ブログの基本どおり、バンダイウルトラ怪獣シリーズのソフビを基準にすることがまず優先された。
その上で、せめてなんとか、一念発起で、全28話を、どうにか一枚ずつでも画像を揃えるべく、「この際だから高額アイテムを買ってしまう」「既に、そのアイテムを持っている友人からアイテムを借りる」「そのアイテムを持っている友人に頭を下げて、こちらが指定したアングルや角度でアイテムの写真を撮ってもらい、それを頂いて画像合成の素材とする」の三種類をとることにした。

これは今思えば賢明な選択肢で、例えば『あけてくれ!』や『バルンガ』の再現画像を作る時に、異次元列車やバルンガのアイテム以上に必要なのが「1966年の東京の街並み写真」であって、それはフリー素材や購入写真で、一枚か二枚は用意は出来るのだろうが、何枚も用意できない上に、用意できても画像が代わり映えしないのであれば労力がかかるだけなのだ。
『クモ男爵』だって、背景の選択には悩みに悩み、いつも背景画像を購入してるサイトで、どんなワードで検索するかに悩み尽くしたが、結果的に最適な検索ワードを思いついて、一枚のみは再現が可能になったが、洋館の中を丸ごとセットで再現しない事には、あれ以上の枚数は絶対的に無理なので、アレも大クモの画像だけ頂いて、はめ込み合成をしてなんとか雰囲気でテレビの画に近づけたというところ。

というわけで、今回のインターミッションでは、あくまで「バンダイウルトラ怪獣シリーズの歴史を辿る」このコーナーの趣旨に沿って、アイテム紹介をしたい。

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