ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。
とか言いながら、ガンプラ以外も紹介してきたのは、MiddleEdge時代から変わらず、最近では「もはや富野作品でも、アニメメカですらない」グッズまで紹介し始めた迷走連載。

前回はこちら「『ガンプラり歩き旅』サンバルカン編・3 SHODO SUPER 太陽戦隊サンバルカン」

『太陽戦隊サンバルカン』女性対決!白バラの剣士VSヘドリアン女王

ガールズインユニフォームVOL.3 白バラ仮面・嵐山美佐(太陽戦隊サンバルカン) 2007年8月 630円

アニメアレンジされた、サンバルカンの「白バラの剣士」

今のフィギュア界隈で、ロボット系、ヒーロー系を抑えて、ジャンルとしてトップランナーなのが「萌えアニメ系女子フィギュア」なのであるが、やはりその元ネタはプリキュアアイカツ!等の「女児向け萌えアニメ」フィギュアが中心になり、実写の男児向け、しかもマスクヒロインではない顔だし系フィギュアでは、殆ど商品化が歴代で見受けられない。
かつて「戦隊初の女性戦士二人組」の『超電子バイオマン』(1984年)放映時に、バンダイがリカちゃん人形系のドールで、マスク着脱可能なイエローとピンクを商品化したことはあったが、基本的に顔出しで女優が演じている特撮系キャラを現代においてフィギュア化するのは、単発商品以外ではほぼ皆無だったりする。

萌えイラストがパッケージ。これは『特捜戦隊デカレンジャー』のウメコ

もちろん、アニメの女子キャラや、特撮でも戦隊のピンクや着ぐるみヒロイン系のフィギュアは今でも盛況ではあるのだが、こと女優さんモデルのフィギュアは少ないのだ。

それは一つには、版権とは別個の、女優さんへのロイヤリティの問題もあるのかもしれない。
一時期、ファンにはカリスマ的人気の「『ウルトラセブン』(1967年)のアンヌ隊員」や「『ウルトラマン』(1966年)のフジアキコ隊員」と「思われる」フィギュア商品がいくつかここ30年で発売されたが、その殆どがキャラ名で商品化されず「ウルトラ警備隊女性隊員」等と言った呼称で商品化されており、商品化そのものがし辛い背景を感じさせてくれた。
「実在の俳優が演じたキャラのフィギュアは少ない」は、ある種の特定の俳優さんのキャラを除いて、男性のキャラにも言えて、特に近年デジタル加工と塗装が可能になるまでは、なかなか似せることも難しかった。

パッケージ裏のラインナップ。長期シリーズを視野に入れていたのが分かる選択基準

そこで、バンダイが、マーケティングを分析したり、版権管理を分析した結果、一つの実験商品枠が産み落とされた。
それが、今回紹介する、ガールズインユニフォームである。
ガールズインユニフォームは2006年にバンダイから発売された東映特撮ヒロインをフィギュア化した商品である。
ただし、そのフィギュアは、元の特撮ヒロインの実像へと直接似せるのではなく、一度、漫画家でもあるデザイナー(このシリーズでは黒岩よしひろ氏)によってイラスト化され、それをアニメフィギュアの手法と方向性で立体化したのが、この商品シリーズなのである。

ある意味、技術的にも市場調査的因数分解的にも、この「2000年代中盤」という時代性としては最適化されたアプローチだったと言えるだろう。
実在女優のキャラのフィギュア化としては、この商品の直前期の『キューティハニー』(2004年)佐藤江梨子のハニーのバリエーションが、HGガシャポンで展開していたが「努力は認めるがブサイクな出来」に終始しており、このカテゴリの迷走ぶりを象徴していた。

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