★ソフビ人形ウルトラセブン ブルマァク版 450。

これは、問答無用で、筆者が生まれて初めて手にしたウルトラセブンのソフビ人形でもあり、今現在に至るまで、その価値と美しさは、抜きんでてワンアンドオンリーのセブン人形。
今回は、この名作ソフビ人形に対してちょっと考察をしてみたい。


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知っている人には釈迦に説法だが、『ウルトラQ』(1966年)から『ウルトラセブン』(1967年)までの怪獣ソフビは、玩具メーカーマルサン(後期は、社名は「マルザン」になるが、今回は「マルサン」で統一)が基本的に、全ての商品の開発と生産、販売を行ってきた。
しかし、経営の悪化で1968年に倒産。その後、取り残されて放り出された社員達の手によって、マルサン時代の金型を使い、1969年に玩具会社ブルマァクが設立。
ブルマァク設立当初は、マルサン時代の金型を使って商売を始めたが、次第に怪獣ソフビが再び人気を取り戻していき、ブルマァクは自社による新規怪獣ソフビの開発に着手。
その先で、自社ソフビ販促テレビ番組『ウルトラファイト』(1970年)の大ヒットを受けて、『帰ってきたウルトラマン』(1971年)『ミラーマン』(1971年)などの、メイン出資資本企業として、怪獣ソフビブームを支え続けた会社である。

ここまでが、怪獣ソフビマニアなら誰もが知っている基礎知識。
ここからはいろいろ余談。

★まず造形。

誰が言いだしたのか「マルサン、ブルマァクソフビは、あえて似せないところが魅力なのだ。レトロ風ソフビならではの味わいは、職人の味わい」などと、カルトな「鰯の頭も信心から」みたいな御託を並べているが、マルサン時期のソフビが似ていない(特に最初の『ウルトラQ』時期)のは、それまでの玩具業界には「化け物の人形を子ども用玩具で作る」という前例がなかったがゆえの保険的要素からであるし、一方でブルマァクソフビの造形の方は、身体と手足を別々に型から抜くという、商品構造の限界からきているものであり、そのレギュレーションに従えば、ブルマァク時期のソフビは、現在の目で見てもリアリズム溢れる商品が多い。
この「マルサン版 ウルトラセブン450」もその白眉で、とあるサイトでこのセブンを、試しに徹底的にリアルで塗装したら、2010年代の、どのセブンフィギュアよりも、放映当時のウルトラセブンに酷似していたという驚愕の事実がある。


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(引用)「ウルトラセブン Vintage  」


そして、このウルトラセブン450ソフビの特徴である「右手が手刀、左手が握りこぶし」というのは、当時有名なスチルだった、講談社のカメラマンによるセブンの構えポーズを、忠実にソフビに作り起こしているからであることも分かる。


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