再現画像。単体状態のメガバズーカランチャーに随行する百式

簡易的ではあるが、メガバズーカランチャーは単体状態から射撃体勢へと変形が行われるが、このキットはそれをそこそこのパーツ数とポリキャップを費やして再現している。これが300円分というのは、やはり今となっては驚きである。
変形は主に、銃身の伸縮、グリップカバーとその中のグリップの展開、足掛けフレームの展開であり、そのフレームも伸縮こそできないものの、長短2種類の物が自在に付け替えられるようになっている。

射撃状態へと変形したメガバズーカランチャー

特に銃身の伸縮に関しては、ガンダムメカお馴染みの動力パイプが絡むため、ここの部分には1/144ではこの時期まだ珍しい、軟質でのパイプが用いられている。

専用スタンドで飾る状態の、メガバズーカランチャーを構えた百式の完成形

さらに嬉しいのは、アニメでは宇宙空間で使用していたために、接地安定性が最初から配慮されていないこの足掛け大砲を、百式が構えた状態で飾れる専用スタンドが付属してくること。
これは今回の再現画像撮影でも、便利に役に立っていただいた。

再現画像。スタンドは消してあるが、スタンドなくしてこの構図は撮影できなかった

グリップは、アニメ設定どおりコの字型グリップを握ることになるが、むしろイマドキのガンプラであれば、コの字型からL字型へとデザイン変更されそうな握りにくいグリップが、グリップのパーツ分割と回転ギミックで、しっかり「拳に穴」だけの両手首でも、グリップを握れるように設計がされている。

展開したグリップを構える百式の上半身のアップ

また、百式はメガバズーカランチャーを構える時に片足だけフレームに引っ掛けるが、それがしやすいようにスタンド側が調整されているのも見事。

煽りアングルから見ると、専用スタンドが「百式が構える」ポーズ全体から逆算されて固定化するように設計されているのが見てとれる

これだけ単体で出来の良いキットだけに、百式本体の方がREVIVEされた2016年に、百式発売から一か月後の9月に、プレミアムバンダイ限定の販売方式で、1200円で単体発売が行われた。
元が出来が良かっただけに、変更点は基本的になく、せいぜいが成型色と、後オマケのようにエゥーゴ関係のマーキングを中心にした水転写デカールが付属する程度。
ただし、元々のメガバズーカランチャー用ホイルシールが、スコープ部等「光る箇所」に使用されていたことや、エゥーゴマークなどはその後2017年に「ガンダムデカール Z/ZZ汎用タイプ」なる商品が発売されて、そちらの方がコスパが良いこと。
水転写デカールにはREVIVE版百式用と思われる「百」マークもあるが、それは先ほども書いたように放映当時の旧キット(600円)でも充分補えること、そしてなにより、2018年の今現在でも、この百式とのセットが1800円で買えることなどを考慮すると、こちらでは300円のバリューだった武装に、単体で1200円を出すかといわれると、普通に考えて「発売されるガンプラは全部買わないと気が済まない人」以外は、ほぼ買わないのではないだろうか(こちらのセット商品の方がメーカー希望小売価格では600円高いとはいえ、いざ再販がかかれば実質上の価格は単体版を下回る可能性が高い。その上で、プレバン限定品はプレバンでしか原則買えないので、値引きされることはありえない)。

後方から見た、スタンド展示状態の百式+メガバズーカランチャー

今回は、メガバズーカランチャー本体がシール補完もあってほぼ完璧に色分けされているというのもあり、百式ともども追加塗装もなしで撮影に使用した。
既に20年近く前のキットであり、若いガンプラファンからすれば「古い時代のガンプラ」と思われるかもしれないが、時代が進むということが必ずしも良い変化だけをもたらすというわけではないことを、こうした初期HGUCキットから感じてみるのも悪くないかもしれない。

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