そしてまた、チャンドラーはペギラ、マグラーはパゴス、ピグモンはガラモンといった具合に、登場する怪獣は皆、前作『ウルトラQ』で主役を張ったメジャー怪獣の着ぐるみを、改造したり、そのままであったりで使用している。

これはつまり、怪獣の世界であった『ウルトラQ』の、どの住民よりも強い存在こそがレッドキングであるという真実を物語っている。

よく、後年ファンの間で「レッドキングが強い怪獣であるのはおかしい。レッドキングは結局ウルトラマンと対決したときは、しょぼい戦い方しかしなかったし、ウルトラマンも光線技すら使わずに、レッドキングを倒したじゃないか。そんなレッドキングは、普通より弱い怪獣にしか見えない」という意見が聞かれるが、それはつまり、当時の時代の空気(空前の『ウルトラQ』ブーム)を、肌で感じていないからであり、その空気を感じ取っていれば、歴代の屈強ウルトラQ怪獣(が名前を変えた怪獣)を、トーナメントでなぎ倒して勝ち進んだレッドキングは、やはり最強のイメージを手に入れたのである。

その「全てのウルトラQ怪獣をなぎ倒した、怪獣の頂点」たるレッドキングを、ウルトラマンが、颯爽と現れて倒してしまうというロジックは、人が、人を取り巻く怨念や畏怖すべき外界のどんな脅威よりも、強い味方(ウルトラマン)を手に入れたのだというロジックだったのだろう。

ウルトラマンさえいれば、どんな脅威も怖くはない。

ましてやそれが、日本人の血に流れる原罪が相手だったとしても、決してそれらは日本人に致命的な害を与えることは出来ず、ウルトラマンの前には屈するしかないのであろうと、この物語は語ったのである。

それはやはり、金城イズムであったのだろう。

この話はやはり、上原氏一人の筆では成立しなかったのだ。

南方・秘境の支配者レッドキングに立ち向かう金城ウルトラマンには、後に『怪獣使いと少年』のムルチを前にして、戸惑い、戦いをためらった上原ウルトラマンのような迷いはない。 ウルトラマンはその初期においては、一体の怪獣と戦い、勝つたびに、人類のテリトリーを広げる手助けをしていくのである。

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