輪廻転生する『無限の夢』

 さてそんなこんなの、この映画のエンディング。
 この作品の(良い方向へと頑張って解釈した場合の)テーマでもある「宇宙時代に、それでも様々な意味で生きている、バイタリティ溢れる『はぐれ者(東映者ともいう)』達が、力を合わせることで巨大な敵を打ち倒す」を果たした、リアベ八人の勇士と志穂美悦子の下僕達は「(散々壊されて撃破されたはずなのに、数分で完全修復された)優雅な宇宙帆船」で、戦いの終わった宇宙空間を舞うように飛びながら、勝利を称え、地球へ戻って来いと呼びかける丹波哲郎の言葉に対してこう答える。

「私達はこのまま、新しい故郷を求めて旅にでます」と。

 まぁ、何をするのも自由ではあるから、旅に出るのも、浮浪者になるのも構わないが、とりあえず千葉真一だけでもその「硬いようで柔らかいような、角の生えた兜」くらいは、もう脱いでおいてもいいんじゃないか? と思わずにはいられない。

 ラストはその宇宙帆船の、永遠の旅の門出ということで、Vic Morrowが若山弦蔵の声で、子役俳優が押し込まれた白黒ロボコンに向かって言う。

「宇宙は広いのだよベバ。我々はちっぽけな存在に過ぎないが、せめて夢だけは無限でありたい」

このメンツで、このまま大宇宙の旅に出るのに不安感が拭えない

 確かにその通りだが、その映画の中でそう願ったのは、きっとVic Morrow、貴方一人だけではないのだよ。 なぜなら……。「みんな」はどうやら、この映画に心残りを抱いていたらしいからだ。もしくは「みんな」はどうやら、また同じことをやりたかったらしいからだ。
 この「結局SFだか任侠劇だか時代劇だか判別不可能なジャンルでスペースオペラという、子どもも騙せない子ども騙しの癖に、出てくる俳優全員の『目』だけはどれもこれも、生まれて初めてAVを観ようとしている、中学生男子のレベルで本気」という、判別不能な、殺気のような本気感で満ち溢れていた、この作品に関わったツワモノ達が、なんと数年の時を経て、再び結集することになるのである。 その「無限の夢」とやらを、めっちゃ具体的に求めたかのように……。

 真田がいるぞ! 志穂美もいるぞ! そうなれば当然、千葉師匠もいるのは当たり前だ! Vic Morrowはいないけど、代わりに薬師丸ひろ子を主演に呼んだぞ! 監督はもちろん深作欣二だ! 特撮監督はもちろん矢島信男だ! そこで物語のべースになるのは当然「南総里見八犬伝」だぁ!

 かくて。 歴史は繰り返され続ける。
 もしかすると、今パソコンかスマホを覗いている貴方の背後にこっそりと、胡桃に似た木の実が、落ちていませんか? そしてその木の実がもしも、あたかも機電飾発光のように、光り出したとしたら……。貴方はその瞬間から「千葉真一が、白馬に乗った王子様の世界」の住人になるのです……。

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