ウルトラホーク3号

この時期までの、ブログ内での特撮名場面再現では、バンダイが70年代に金型を開発したプラモデルを撮影に使用してきたウルトラホーク3号のであるが、今回からはホーク3号アイテムの決定版とも言うべき、バンダイが2007年の9月に発売した食玩「HDM ウルトラ超兵器 -ウルトラ警備隊編-」こちらのホーク3号を使用することになった。

この食玩HDMシリーズは、1シリーズごとにウルトラ防衛隊チームのメカを、数種ずつ再現していく商品で、現在では第二弾のMAT編までが展開している。

ウルトラ警備隊編では、まずホーク1号をα・β・γ号に分けて3種、そしてホーク2号・3号・ポインター付マグマライザーの、計6種が発売された。

そのクオリティは、かつての食玩ハイパーメカを上回る再現性で、ネットなどでの評判でもかなりの高評価が湧き出たシリーズになった。

ホーク3号は、これまでの立体化ではあまり恵まれていなかった経緯もあり、今回のアイテムは決定版として十二分なクオリティを誇る。

機体下部のディティールや、マーキングなどに撮影用ブロップの実物と差異はあるものの、今回、撮影アイテムとして見たときには、その正確でシャープなシルエットやきめ細かいディティーリングなど、これまで使用してきたアイテムとは、数段違う出来の良さを感じさせてくれる。

これを凌ぐと、判断できるアイテムが今後リリースされない限りは、ホーク3号に関してはこのアイテムを使用していくことになる。

モロボシ・ダン

本作品の真の主人公・モロボシ・ダンは、食玩「ハイパーウルトラマン」と「HGウルトラマン」の、それぞれから発売されたミニフィギュアを撮影に使用した。

まずは、サイズの大きな素立ちのダンのフィギュアの説明から。

こちらは、食玩「ハイパーウルトラマン」の第3弾で、ウルトラマンタロウやウルトラマンガイアと共にラインナップされた、モロボシ・ダンのフィギアと、を使用した。

このシリーズは、PVC素材で出来た完成度の高い食玩フィギアであり、その後この商品コンセプトは「HDウルトラマン」「究極大怪獣」などといった、さらなるハイクオリティ商品として発展していくが、このハイパーウルトラマンシリーズにおいては、モロボシ・ダンの他、アンヌ隊員とハヤタ隊員がフィギア化されている。

食玩ハイパーウルトラマン・ダンのパッケージ

ベルトとバックルのマークや、胸のウルトラ警備隊マークはシールで再現。ヘルメットのフードや、胸のランプ他別パーツはクリアパーツを使用。顔の造形は、このサイズとコストでは文句ない出来で、これは、先行していた食玩仮面ライダーフィギアにおける、本郷猛や一文字隼人、風見志郎などのフィギアでの技術の蓄積が、フィードバックされた結果なのだろう。

既に絶版になっているこの商品を、今回はヤフオクで落としたのだが、本来付属しているはずのウルトラアイが欠品であった。

フィギアのポーズ自体が仁王立ちの固定ポーズであり、ウルトラアイを装着する構えではないので(おそらくウルトラアイ装着ポーズは、HGガシャポンのシリーズでフィギア化されているため、ポーズが被らないように配慮されたのではないだろうか?)

変身カットにはあまり適さないが、それでも主役のフィギアがあるというのは、今回のように演出の幅を広げてくれる。

今となっては終了したシリーズゆえに望むべくもないが

このクオリティとサイズで郷秀樹や北斗星司が発売されていなかったことが悔やまれてならない。

次に、ウルトラアイを装着しているポーズのダンは、ガシャポンのHGウルトラマンシリーズで展開していた中の「HG ウルトラマン19 怪しい隣人編 モロボシ・ダン隊員」を撮影に使用した。

このHGウルトラマンシリーズは、バンダイのミニフィギュアとしてはチョコエッグシリーズ以前から展開しており、この、シリーズ19弾が発売された時点で、まだ1998年8月であり、カプセルトイで一個200円という「安い、出来が良い、コレクション性が高い」三拍子揃った、伝説のシリーズになった商品である。

このシリーズは、毎回、ウルトラシリーズから、ヒーローや怪獣を、メジャー、マイナー織り交ぜて6種が発売されていて、毎回一つは、眼玉アイテムともいえる「これを出してくるか」がギミックとして組み込まれており、この第19弾は、ウルトラマンエース、バキシム、モロボシ・ダン、イカルス星人、ペスター、ベムスターの計6種で構成されており、当然この弾ではメインはウルトラマンエースであり、眼玉枠がダンであった。

シリーズでは、他でも(ハイパーウルトラマンシリーズ同様)「ベータカプセルを掲げてるハヤタ」もラインナップされているが、ハヤタは「ヘルメットをかぶっていない頭部」造形にすることでハイパーウルトラマンとの差別化を図ったが、ダンの場合は、完全にポーズを変えることで差別化を押し出してきた。

素立のハイパーウルトラマン版と、変身シーンのHGウルトラマン版。

コンテによって使い分ければ、ダンの演技の幅が広がる。

当然HGウルトラマン版の方がサイズは小さいのだが、HG版ダンは、ウルトラアイを装着するポーズなので、顔の造形の稚拙さが見えないように、巧く出来ている。

ミクラス

『ウルトラセブン』再現では、この2種のダンを使い分けてシーンを演出していく。

ミクラスもウィンダム同様、バンダイウルトラ怪獣ソフビの『ウルトラマンメビウス』(2006年)シリーズの、マケット怪獣版ミクラスをそのまま撮影に使用。

このメビウス版マケットミクラス。

元のセブンのカプセル怪獣版ミクラスと、どこがどう違うのかとか明確には言及できないが、顔の大きさや目の位置やバランス等、セブンのミクラスよりも、可愛く愛らしくアレンジされており、より、マスコット的色合いが強調されている。

その辺を踏まえた上で語るのであれば、ソフビの出来は文句のつけようがない。

印象オブジェのような角がついた頭部も、上半身ごと一発で抜かれているし、汚しが適度に入れられた塗装も完璧。

ネックは、下半身が1パーツなので、足に可動ギミックがないことと、角の塗装がメビウス版に準拠している為、セブン版にあった、緑の部分がないことくらいか。

今回は、いずれメビウス版での出演もあるだろうという前提にたって、角の塗装は省略し、口中をデザインナイフで開ける程度にとどめた。

ピット星人

エレキングを操って地球侵略を企てた、美少女(?)宇宙人ピット星人は、バンダイの食玩「ウルトラ怪獣名鑑 ウルトラセブン編2」から出ている、「湖のひみつ」のヴィネットを使用した。

「ウルトラ怪獣名鑑」は、バンダイが展開していたヴィネット型のフィギアで、HGウルトラマン等との差別化としては「ヴィネットという形で、キャラをフィギア化するだけではなく、名場面そのものを再現する」という趣向がある。

シリーズは、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』と展開し、第二期シリーズも売れる物は売れるうちに売ってしまえと、ミニフィギュアバブルの波に乗って展開したが、バブル弾けたその後は、なんとかマン・セブンの全話を発売して終了した。

「名場面をヴィネット化して卓上に再現する」その流れは、同じ食玩の「ウルトラ怪獣戯画」などに受け継がれている。

クオリティは、さすがミニフィギュアバブル絶頂期と唸るしかないのひと言。

ヴィネットとして成立が難しく、シリーズでは時として、単純な「土台付きフィギア」になっているアイテムも少なくは無いが、「狙われた街」「史上最大の侵略」「第四惑星の悪夢」のように、名場面の切り取り方が秀逸なパターンも多い。

商品サイズが小さく、ウルトラ超合金ウルトラアクションヒーローのフィギュアとは、直接は絡ませられないが、等身大宇宙人の表現に関してだけ言えば、筆者が今回用意した特撮セットは、基本的に巨大な怪獣・宇宙人専用なので、等身大宇宙人が、セットとスケールが合わなくても全く問題はないし、そもそもセブンの等身大宇宙人は、今回のピット星人やペガ星人等、宇宙船の中にいるだけで外に出てこないケースも多い。

再現演出で、そういった、円盤内の等身大宇宙人を表現しようとすると、自力で円盤内のセットを組まなくてはならなくなる。

そう考えると、ある程度円盤内セットのディティールが、最初からジオラマ化されているこの食玩の存在は、筆者にとってはありがたいのである。 今回はこの「湖の秘密」を、グレーの背景で撮影して使用した。

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